武者小路實篤著『馬鹿一萬歳』角川書店/角川文庫/昭和36年

中川孝〔實篤文庫〕「解説」

昭和38年の再版を読む。収録作品は、「馬鹿一萬歳」〔『文芸』昭和29年6月〕、「暴君と書家」〔『新潮』昭和29年1月〕、「泰山の怒」〔『婦人公論』昭和29年10月〕、「白雲の病気」〔『群像』昭和29年5月〕、「すべては過ぎ行く」〔『別冊文芸春秋』昭和29年7月〕、「馬鹿一と病後の白雲」〔『新潮』昭和29年10月〕、「進化論者」〔『心』昭和30年1月〕、「ある農家で」〔『文芸』昭和30年1月〕、「二疋の鼠」〔『群像』昭和30年1月〕、「二人の画家の死」〔『キング』増刊昭和29年2月〕、「空想先生の話」〔『心』昭和28年11月〕。解説に拠れば「真理先生」「馬鹿一」「山谷五兵衛」などに連なる「山谷五兵衛もの」の一つらしい。武者小路実篤〔むしゃこうじさねあつ〕は『友情』くらいしか読んだことないのでこれからチェックする要あり。初出誌の『心』ってのはいったいどんな雑誌なんだろう?
巻末にある作者経歴を参考までに以下転載。

武者小路実篤
 明治一八年(一八八五)―。東京麹町に子爵武者小路實世の第八子として生る。学習院から東大へすすむ。明治四三年志賀直哉等と「白樺」創刊。大正七年「新しき村」建設。日向に赴き、彼の倫理の実践的側面を見せた。なおロダンゴッホセザンヌ後期印象派の美術を移入した功績も大きい。〔著作〕「その妹」「幸福者」「友情」「愛慾」「人間萬歳」「人生雑感」「或る男」「人類の意志に就て」「若き人々」「井原西鶴」「湖畔の画商」「愛と死」「幸福な家族」「暁」「ある彫刻家」「棘まで美し」「若き日の思ひ出」「馬鹿一」「馬鹿一萬歳」「人生論」(以上角川文庫所収)等。