勢古浩爾著『ぶざまな人生』洋泉社/新書y/2002年/ISBN:4896916824
『まれに見るバカ』に比べるとこちらのほうが好印象を与える。勢古の本を2冊読んで気づいたのだが、この人の文は新書1冊書き下ろすよりも短文コラムかエッセイを書くのに向いている文体なのではないだろうか?長文が書けないのか。括弧書きの多用にしても、自己突っ込みにしても書き下ろし向けの洗練された文章ではない。脱線も多く、章立てに合わせてネタを集めてみました、という印象で一貫した論理展開がない。ただ、このこなれていない文章も著者の「ふつうの人」という視点からすれば長所になるのかもしれないけど。視点は良いので、PHPや筑摩から本を出すのもよくわかるのだが。
あと、ベストセラー本だからといって高森顕徹監修『なぜ生きる』をなんの注釈もなく取り上げるのはどうかと。『まれに見るバカ』で幸福の科学創価学会の本のベストセラー現象を揶揄していたのにもかかわらず、高森を浄土真宗親鸞会のトップだとは知らないのか。編集者は教えてやれよ。編集者も知らなさそうだが。
追記:id:hitsujikai:20031001に感想が。こちらの方が本の雰囲気をよく伝えた紹介・感想だ。