前田日明福田和也著『真剣勝負』草思社/1999年12月/ISBN:4794209177
平成11年〔1999年〕3月30日、4月19日、5月10日の三回の対談をまとめたもの。構成は上島嘉郎〔『正論』編集部の人だよね?〕。
前田日明宮台真司宮崎哲弥のM2コンビへの言及部分についてのところだけメモ。

前田 〔前略〕いまの若手の評論家とか批評家の文章を読んでいると、彼らはある事象を「否定すること」でしか自分の言うことが表現できないような感じがするんですね。だから読後感が悪くて、どんどん自分の世界が細かくなっていって、「なんや、もうそんなことどうでもいいよ」っていう嫌悪感にとらわれてしまう。ものすごい不快感を覚える。

 たとえば宮台真司さん、都立大学助教授だそうだけれど、人間と人間の付き合いの規範とかを端から価値のないものとして無視して、それで何かを批判したり侮辱したりすることによってしか自分を表現できないのかという印象がぬぐえない。何でこうなっちゃったのかなと思うぐらいにね。彼はきっと人間嫌いなんだろうな。自分以外はみんな馬鹿に見えているのかも知れない。

前田 〔前略〕物語が必要だって言っていたのは、もともと誰でしたっけ。「朝まで生テレビ」によく出てくる……、そうそう宮崎哲弥だ。それがいまは何か、かなりちがうことを言っているでしょう。どうしてあんなに変わってしまうのかな。

福田 彼は僕の後輩なんです。

前田 学校か何かの後輩なんですか。

福田 一応、慶応の文学部で、学生時代は直接接触はないんですけれど、『諸君!』とかに紹介したのは僕だから、彼については責任を感じている。