佐藤優『国家の罠』

佐藤優著『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』新潮社/2005年3月/ISBN:4104752010
国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて 2002年に鈴木宗男に関連する一連の事件によって逮捕された元外務省主任分析官の手記。評判に違わず面白い。ノンフィクションとして読むのなら担当検事・西村尚芳との奇妙な関係が一番読み応えがあるといえるか。近年の政官財の疑獄(例えば橋梁談合事件や堤義明の逮捕と西武グループの再編、日本歯科医師連盟の贈賄と橋本派の没落などなど)を眺める時、「国策捜査」という視点を補助線にして考えるのは決して無駄ではないと思う。
第六章で出てくる確定死刑囚は坂口弘だろうか。今、発売されている『諸君!』に兵頭二十八によるこの本の批判が載っているようだから読んでみることにしよう。