佐藤卓己『八月十五日の神話』

佐藤卓己著『八月十五日の神話 終戦記念日のメディア学』筑摩書房/ちくま新書/2005年7月/ISBN:4480062440
八月十五日の神話 終戦記念日のメディア学 ちくま新書 (544) 面白いの一言で済ませちゃだめかね。なぜ「終戦記念日」がポツダム宣言受諾の8月14日でも降伏文書調印の9月2日でもなく「玉音放送」のあった8月15日になのか。「八月ジャーナリズム」の確立を丹念に追うとともに、私流に要約すればそれは「記憶の五五年体制」ともいえる保革の共犯だと佐藤は指摘する。そういえば共産党の所感派・国際派の対立も1955年の六全協で表面上は収束する。一番最後には丸山真男の「8・15革命」論への批判的言及もあり。