【言論江湖】目的か、手段か、産経の正論路線(上)

下は↓。
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1018445/detail
筆者は「ライブドアパブリック・ジャーナリスト」の小田光康。
まず、突っ込み。

  1. 「商業主義報道機関」は朝毎読も一緒だろ日経なんて最たるものじゃん。
  2. 朝刊紙になったのは東京本社版で大阪本社版はまだ朝夕刊あるでしょ。西日本での産経の根強いシェアを過小評価しちゃいかんと思う。
  3. 経営的な観点からの「経営の差別化・ニッチ戦略」から正論路線が生まれたと見ているようだけど、産経の歴史的に見て本末転倒。正論路線がまずありきで、それじゃ経営的に成り立たないからエンタメ路線で赤字を補填してるんだよ。一般への産経の影響力は部数に比例する小ささかも知れないけど、自民党や旧日経連(現日本経団連)への影響力は他の新聞とそんなに変わらないことに注意を払うべき。
  4. 長年赤字を垂れ流してるのにそれでも産経がなくならないのは悪く言えば「自民党準機関紙」的な路線をとり続けているという政治的な思惑があるからで皮肉にも五大全国紙の中では最も「商業主義報道機関」から遠いのではないですか。

とまあさんざん揚げ足をとったけど、私は産経の報道路線に対する検証という視点は悪くないと思う。もちろん現在フジサンケイグループ対立するライブドア媒体で発表されているという文脈に対する注意は必要だし、コラムだから多くは期待できないかもしれないが、産経(サンケイ)の報道路線への冷静な検証はもっと多くなされるべきだと思う。朝日の報道路線への検証が玉石混交といえども現在まで膨大になされていてその中には相当に鋭いものがあるのに対し、産経の報道への検証は左派系メディアでたまに行われているだけだし、総じて産経への敵意が先に出すぎてクオリティが低い*1。やっぱ縮刷版を発行してないのが一番大きいのかなあ。
いわゆる「産経残酷物語」やグループ支配権を巡る水野家・鹿内家の栄枯盛衰も含めて産経の報道路線の変遷を歴史的に検証するとより説得力が増すのでは、と一応エールを送っておきます。
[追記]
上の文章を書いた後東海道線通勤日誌ライブドアパブリックジャーナリストの議論のすり替え産経新聞読者です(笑)感想をニュースとして流すな・取材しない者をジャーナリストと呼ぶなを読みました。こういう体たらくならエール送っても応えてくれそうにないね。

*1:新聞学などアカデミズムでの話はよく知らないので置いとく