牛島秀彦『ノンフィクション 天皇明仁』

牛島秀彦著『ノンフィクション天皇明仁河出書房新社/1990年10月/ISBN:4309472001

ノンフィクション 天皇明仁 (河出文庫)

ノンフィクション 天皇明仁 (河出文庫)

まえがき
第一章 家庭中心の皇太子
第二章 皇室という特殊な世界
第三章 皇太子明仁の誕生
第四章 少年皇太子の教育
第五章 戦争にもまれる皇太子
第六章 存亡の危機に立つ天皇
第七章 天皇制を支えるキリスト教人脈
第八章 少年皇太子の成長
第九章 青年皇太子の悩みと菊のタブー
第十章 天皇元首制の復活と市民的君主の隔たり
あとがき

朝日ジャーナル』1986年1月3・10日合併号〜6月27日号の連載を加筆し、1987年12月に朝日新聞社から単行本化されたものの改題文庫化。
今上天皇をメインテーマに据えているものの、太平洋戦争開戦前後や敗戦後の昭和天皇の動きも追っている。一番読みごたえがあったのは第七章。敗戦後に天皇周辺にこれだけ多くのキリスト教徒(特にクエーカー)が登用され、且つ昭和天皇自らもむしろ積極的に受容していってた、というのは知らなかった。
あとは今上・明仁への皇太子時代の風当たりの強さは現皇太子・徳仁へのそれと変わらなかったんだな、と。