中沢新一、赤坂憲雄『網野善彦を継ぐ。』

中沢新一赤坂憲雄著『網野善彦を継ぐ。』講談社/2004年6月/ISBN:406212453X
網野善彦を継ぐ。

まえがき 中沢新一
I 歴史の欲望を読み解く網野史学

  • 知の制度の中に単独で立った人/網野善彦への歴史学会の反発/『蒙古襲来』に高々と掲げられたモチーフ/否定性の歴史学/日本人の野性/『無縁・公界・楽』による挫折/歴史の欲望を実証する難事業

II 北へ、南へ、朝鮮半島へ広がる問題意識

  • 民俗学へ、朝鮮半島へ/民俗学の欲望はどこへ行ったのか/原‐無縁=自由空間の普遍性/北につながる結社、南につながる結社/定住と漂白の同時性/「中心と周縁」の構図に戦いを挑む/差別の視点から見る日本と朝鮮半島

III 「天皇」という巨大な問題

  • 天皇という存在の深さ/天皇は山川草木すべてを支配する?/王の身体、さらにもう一つの天皇の身体/天皇の問題をリアルに問う/権力を国家を東北から考えなおす/天皇という存在の遠さ

IV 「東の歴史家」の意味

  • 山梨という風土/西の歴史家と東の歴史家/差別をめぐるタブーの西・東/移動する人間、都市と貨幣/定住の終わりと定住の原理の柔らかさ/一万年の歴史を貫く風景

V 何を受け継いでいくのか

  • 単独者の跡を追って

あとがき 赤坂憲雄